サイバーホラー第一弾「東京二十惨区」
AIの発達により人類が機械に管理される側へと落ちた世界では学問も労働も芸術も形骸化したものでしかなかったが、人類とAIの間に形式上の主従の面目が保たれているためにそのことに違和感や不信感を持つ人類はほぼ存在しなかった。
しかし、そんな形骸化した世界を奪還すべく、人類をより優れた人類へと進化させる「デザインド・ヒューマン」計画を数十年にわたって実施してきた人間たちの思惑はAIに見透かされており、遺伝子操作の段階でAIから発信される特定の周波数で発せられる音によって壊人(かいじん)化させられるように仕組まれていた。
華蓮は普通の女子高校生である
――いつもの週末のようにみんなと渋谷に遊びに行く
そんなありふれた彼女の日常は、その日、訪れなかった。
音方屋が送る、サイバーホラー作品第一弾「東京二十惨区」いよいよスタート
【登場人物】
華蓮(かれん)
普通の女子高校生であるが、本人も知らなかった「ナチュラル」(非遺伝子操作個体)という特殊な境遇を持つ。
そのため、AIによる壊人化を免れることが出来た。
龍斗(りゅうと)
30代前半のフリーターと嘯く男。
過去を語らないため詳細は不明だが、華蓮をナチュラルだと見抜いたり、壊人で溢れる渋谷を抜け出す手助けをしたり、AIとデザインド・ヒューマンの軋轢に深く関わっているように見える。